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豪雨災害でボランティアが体験した困難とは②

12時。腹はグウグウとなるのだが、食欲はない。全身についた泥から放つ臭いと暑さで固形物を食べたいという気持ちが一切起きない。しかし、食べないと体がもたないので、無理やりウィダーインゼリーを喉の中に流し込み、水分を補給する。

休憩の合間に、清水さんは作業の方針を決めながらあの日の事を話をしてくれた。

清水さんは、裏山を指さして「山からは土砂崩れで、その後は洪水が襲ってきた。山鳴りがしたので近所の家に避難していたところあっという間に土砂が襲ってきた。気がつくと街全体が川になっていた」と清水さんは私に話してくれた。

 「すべてを失った」と話す清水さん
「すべてを失った」と話す清水さん

春にコメの苗を植えた田んぼには、土砂崩れで2m以上の土砂で埋め尽くされた。「一瞬で全てを失った。家も田んぼも」と清水さんは話した。耕うん機や田植え機、コンバインなど農業に必要な機械は全て浸水してしまった。

家の片付けをしたいが、今年の6月農作業中に腕を怪我をして、1ヶ月入院していた。退院後にこの豪雨で被害を受けた。完治していない腕は炎症し腫れ上がっているが、「病院に行ったら片付けが出来ない」と話す。

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