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トランプ大統領の「壁」建設のために災害対策、沿岸警備予算を大幅削減へ(43)

●災害対策や沿岸警備を大幅削減
その一方で、地震やハリケーンなどの災害対策を取り仕切るFEMA=連邦緊急事態管理庁の予算を11%削減する他、海難救助や洋上での密輸や密入国対策を担当する沿岸警備隊の予算も14%削減する。また、交通機関の安全管理を行うTSAも11%削減され、これによって911の教訓から導入されていたパイロットへのテロ対策訓練なども取りやめになるという。
予算案は、国境警備とサイバーセキュリティーを最重点に策定されたとしているが、壁の建設の為にこれまで国民の安全を守るために行われてきた様々な対策が縮小される結果となっている。
特に、FEMAは各州の災害対策への支援も行ってきており、予算削減の影響は大きいと見られる。また、沿岸警備隊の予算削減によって、水際のテロ対策を担ってきたテロ対策チームの活動が休止になるという。これには与党共和党は勿論、これまでトランプ大統領を支持してきた人々の中にも異論を唱える人が出てきているという。
●今月下旬に議会へ
移民政策を取材してきた公共放送NPRの記者は、「壁は単なるシンボルで、実効性がないことは、関係者は皆知っている。その建設のために他の必要な予算を削減して、はたして米国を守れるのか?疑問だ」と話している。

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