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<エグザイル公演落雷事故>賠償求めた遺族の訴えを却下 事故現場と会場遠く保護義務なし 遺族「娘は会場にも駅にも入れてもらえなかった」と反発

2012年夏に大阪市で行われた人気音楽グループ「エグザイル」などが出演するコンサートを見に来た女性二人が、開演前に落雷に遭って死亡した事故。主催者が適切な避難誘導を行わなかったとして、被害者一人の遺族が損害賠償を求めていた裁判で、16日午後、大阪地裁は原告の訴えを退ける判決を言い渡した。(アイ・アジア/鈴木祐太)

「不当な判決」と訴える牧子さんの両親。左は父の浩美さん、右は母の和子さん。5月16日大阪市内で撮影鈴木祐太(アイ・アジア)
「不当な判決」と訴える牧子さんの両親。左は父の浩美さん、右は母の和子さん。(5月16日大阪市内で撮影鈴木祐太アイ・アジア)

2012年8月18日に落雷事故は起きた。大阪市の長居公園で人気グループ「エグザイル(EXILE)」や「三代目 ジェイ・ソウル・ブラザーズ(三代目J Soul Brothers)」などが出演する「エイ・ネーション2012(a-nation 2012)」の大規模なコンサートが午後から予定されていた。
北九州市から友人と二人でコンサートを見に来ていた岩永牧子さん(当時22歳)は、会場のある長居公園の地下鉄駅の改札を13時32分に出たことがわかっている。そして雨と落雷を避けるために、14時10分過ぎ(訴状では10分~15分)に公園内の木陰に避難。二人はそこで雷の直撃を受けて亡くなった。
牧子さんの両親は、スタジアム周辺に参集した観客に対しても安全配慮義務として生命、身体を保護する義務があったのに、それを怠ったとして、コンサートの主催者であるエイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社とキョードー大阪グループであるミューベンツジャパンの責任者を相手取り約8000万円の損害賠償を求めて大阪地方裁判所に訴えを起こしていた。

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