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安保法制賛成議員を5か月で9人刑事告発 政治資金規正法違反などで

憲法違反の安保法制に賛成した議員を落選させるとして、弁護士などで結成された市民団体による国会議員の刑事告発が止まらない。3月30日に二之湯智総務副大臣(参議院・京都選挙区)を刑事告発するなど、団体の発足から5か月で、閣僚も含めて9人を刑事告発。団体では、「選挙がいつになるかわからないが、最後の最後まで徹底的に調べる」と話している。(アイ・アジア編集部)

二之湯智総務副大臣の政治資金収支報告書
二之湯智総務副大臣の政治資金収支報告書

告発しているのは弁護士、憲法学者らによって作られた「安保関連法賛成議員の落選運動を支援する弁護士・研究者の会」(以下、「会」)で、安保法制に賛成した議員の政治資金収支報告書を調べて問題があれば追及するとしている。

会は3月14日と15日に中西祐介財務政務官(徳島選挙区)、中原八一参議院議員(新潟選挙区)、青木一彦参議院議員(島根選挙区)、また30日には二之湯智総務副大臣を、それぞれの選挙区の地方検察庁に刑事告発した。4人はいずれも自民党所属。

告発状などによると、二之湯副大臣は、自身が代表を務める自民党の「京都府第三支部」の2012年の政治資金収支報告書で、「大都市政策推進支部」に350万円を寄付していると記しているが、「大都市政策推進支部」の政治資金収支報告書にはそれについて記載がされておらず、政治資金収支報告書に事実と異なる記載をした疑いが持たれている。

また、中西政務官は、2010年参議院選挙の際、選挙資金として345万円を政党支部から支出したと選挙資金収支報告書には記載したにも関わらず、自身の政党支部の政治資金収支報告書にはそのうち167万円の収入しか記載されておらず、虚偽の報告をした他、個人で払うべき私的な会費を政治資金から支払っているなどとして、公職選挙法違反と政治資金規正法の容疑があるとしている。

中原議員は、「自由民主党新潟県支部連合会」の2010年の政治資金収支報告書で、政治団体「中原八一政経研究会」から500万円の寄付を受けたと報告しているにも関わらず、「中原八一政経研究会」の収支報告書には500万円の支出についてまったく記載がなく、事実と異なる記載を行った疑いが持たれている。

青木議員は、2010年参議院選挙の選挙資金収支報告書には、青木一彦議員が代表を務める自民党の「島根県参議院第3支部」から1600万円の寄付を受けたと記載されている。しかし、「島根県参議院第3支部」の収支報告書には、1000万円分しか記載されておらず、報告書に事実と異なる記載をした疑いがもたれている。

こうしたことから、会は4人が政治資金規正法に違反している他、中西財務次官については、公職選挙法にも違反しているとしている。

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