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橋下市長の特別秘書、選挙の度に五回休職でも総額2087万円の報酬 後援会長の息子を「情実採用」の疑惑

大阪市の橋下徹氏が新たに条例まで作って採用した特別秘書の奥下剛光氏が、これまで選挙の度に五回の休職-復職、退職-再採用を繰り返しながらも多額の給与とボーナスなどを支給され、その総額が2087万円に及んでいることが分かった。奥下氏は橋下市長の後援会長奥下素子氏の息子で「情実採用」との批判が絶えなかった。また奥下氏には公務実態を示す文書がなく、市民から給与の支払い停止と報酬返還を求めて訴訟を起こされている。(アイ・アジア編集部)

特別秘書をまるで「私設秘書」のように使っているとの批判を浴びた橋下徹市長。(アイ・アジア)
特別秘書をまるで「私設秘書」のように使っているとの批判を浴びた橋下徹市長。(アイ・アジア)

奥下氏の在職期間と報酬について調べたのは、政治資金の監視と調査をしている非政府組織(NGO)の「政治資金オンブズマン」。2012年1月に奥下氏が特別秘書に採用されてから今年10月31日までの1369日間のうち、休職、退職して職を離れていた期間は計213日、15.5%に及ぶことが、大阪市への情報公開請求で分かった。

「政治資金オンブズマン」の調査によると、その詳細は次の通りだ。
2012年11月16日~同年12月16日まで休職(第46回衆議院選挙期間にあたる時期)
2013年6月21日~同年7月21日まで休職(第23回参議院選挙期間にあたる時期)
2013年8月1日~同年9月30日まで休職(堺市長選の直前2カ月)
2014年11月21日~同年12月14日まで休職(第47回衆議院選挙期間にあたる時期)
2015年3月19日~同年5月17日まで休職(大阪都構想住民投票の直前2カ月)

さらに大阪都構想の是非をめぐって、「出直し市長選」を強行するために橋下市長が辞職を申し出た後の2014年2月15日に奥下氏は退職し、選挙後の3月24日に再採用されている(退職金1058万585円が支給された)。国政選挙、地方選挙の度に休職して橋下氏の選挙活動を手伝っていたと思われる。
「政治資金オンブズマン」の谷真介弁護士が、奥下特別秘書に支給した金額の明細について大阪市に情報公開請求、給与1372万8050円、地域手当137万2795円、さらにボーナス471万7758円と退職金105万8585円が支給され、その合計は2087万7188円に及んでいることがわかった。

奥下氏の記録
奥下氏の記録
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