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拉致問題は前進するか 蓮池透 ×石丸次郎対談 ②

石丸:全部北のせいにして、もう一回経済制裁やるぞ、なめられたらだめだという線で世論をまとめられるという見通しだったのではないかと思います。お聞きしたいのですが、蓮池さんの考える拉致問題の解決とは何ですか?
蓮池:私はもちろん全員帰国というのがハッピーだと思いますけど、それにこだわっていたら北朝鮮は情報をあまり出さないんじゃないかと思うんですね。だから、私は一言でいうなら「真相・真実の解明」というのが解決ではないかと思うんです。拉致されてからもう40年近く経っているわけで、中には亡くなっている人もいる可能性があるわけです。

「全員返せと」とか、「肉親を抱きしめさせてあげたい」とか、常に情緒的というか感情的な部分に訴えることしかしないというのではダメでしょう。そこにこだわる気持ちは分かりますけれども、被害者家族が喜ぶようなことばかり言っているようではだめです。時に家族は反対するかもしれないけれど。

他の被害者家族の方からは「お前のところは帰ってきたからそういうふうに言えるのだ」と言われるかもしれません。でも、やっぱりこれだけ時間が経ってしまうと、もしかしたら亡くなっている人がいるかもしれない。そういう場合に、きちんと証拠を出してもらいましょう。それなりに賠償してもらいましょう、といことを提示しておかなければ。それだけの懐の深さというか度量を相手に提示しないと、北は情報を出せないと思うんです。
「もう死んだなんて言ったら許さないぞ」なんて言ったら、情報なんて出てこない可能性もあるわけです。だから、「生きているんだったら帰してください」と、「万が一、亡くなっているのだったら、それなりのことをやってくれ」というところを主張しないとダメだと思うんです。本当に一番いいのは、日本がインテリジェンスを結集して北のどこに誰が生きているということを突き止めて、返せと言えば、再調査なんていらないわけですが。(続く)

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