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NHK籾井会長社内誌で「受信料の公平負担の徹底に向け、最大限努力」  ハイヤー流用疑惑に職員もあきれと怒りの声  

NHKの社内誌「Network」表紙

NHKの社内誌「Network」表紙

NHKが業務用に利用しているハイヤーを私的なゴルフに使ったことが発覚した籾井勝人会長。年度初めの社内誌で、「NHKは受信料制度の上に成り立っていますので、まずは『視聴者の皆さまにとって何が一番大切か』ということを常に意識しながら、仕事をしていく必要があると考えています」と職員に向けて語っていた。あきれた言行不一致にNHK職員の中からも怒りの声が上がっている。(アイ・アジア編集部)
「(受信料)の支払い率80%は本当はかなり高いハードルです。(中略)現在の支払い率は75%、つまり残りの25%の方々はお支払いいただいていないわけです。これを、2017年度末までに、「80%」まで挙げていく努力祖する、ということです」
これは就任2年目を迎えた籾井会長が今月、NHKの社内誌「Network」を通じてNHKの職員に語りかけた内容だ。記事はインタビュー形式で、NHKの新たな経営計画の狙いについて語るというもので、巻頭5ページを使って自説を展開している。

NHK社内誌

この中で、「(視聴者の)判断のよりどころとなる正確な報道、豊かで多彩なコンテンツの充実」、「(国際放送によって)日本を世界に、積極的に発信」、「新たな可能性を開く放送・サービスを創造」、「創造と効率を追求する、最適な組織に改革」など5つの重点方針について語っている。
冒頭の言葉は、4つ目の重点方針である「受信料の公平負担の徹底に向け、最大限努力」の中で語られた内容だ。そして、「もちろん、私自身も積極的にトップセールスを行うなどして、目標達成に向け、全力を尽くしていきます」と結んでいる。
こうした内容に、これまで沈黙を守ってきたNHK職員の中からも怒りの声が出始めている。
ある営業担当の職員は
「この人は元商社マンだというが、受信料の支払い率を上げる我々にとって、無駄遣いという批判が最も対応に苦慮する点だということが全くわかっていない。そもそも、ゴルフに業務用の車両を使うことが問題」
と怒りを露わにする。
報道担当の職員からも
「現場では、『あの会長を辞めさせないとNHKの取材は受けない』と言われることが度々起きています。昔、不祥事が相次いだ時と状況は似てきました」
との戸惑いの声が聞こえる。

NHK社内誌

籾井会長は今年1月2日、NHKが業務用として利用するハイヤー会社の車両を使ってゴルフに行ったことが明らかになっている。籾井会長は請求書が来た3月9日、秘書室を通じて代金を支払ったと話しているが、国会でハイヤー代金を一時的にでもNHKが立て替えたかと問われた際、回答を保留している。
籾井会長は、社内誌「Network」の記事の最後を次のように締めくくっている。
「僕の信条は『フランク・アンド・オープン』。素直にモノを申し上げ、いろいろ議論をしていきましょうということです。職員の皆さんもあまり遠慮しないで、何かあったらドンドン意見をお寄せ下さい。お待ちしています!」
しかし、前述の報道担当職員によると、この言葉を信じる職員は既にいないという。
「会長の問題について語ることは局内ではご法度です。既に幹部の多くは会長に取り込まれており、職員の言動を監視している状況です」

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