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データ・ジャーナリズム  政治資金で見る大阪維新の会の実力 (大阪市会議員編)

大阪維新の会本部

大阪維新の会本部

2014年12月14日に投開票が行われた総選挙で41議席を獲得し野党第二党の地位にいる日本維新の党。引き続き政界再編の台風の目であることに変わりはなく、代表を降りたとは言え、その中心にいるのが橋下徹大阪市長である状況にも変わりはない。その橋下市長のおひざ元について調べたアイ・アジアの調査報道第二弾。今回は橋下市長を直接支える立場にある維新の会所属大阪市議会議員の資金力を調べた。そこからは、橋下市長がさほど楽観できるような状況でないことがわかった。(アイ・アジア編集部・鈴木祐太)

●政党に頼る議員団
政治資金収支報告書が確認できる最新年度である2012年度大阪維新の会に所属していた議員は32人。その収入の総額は、約8323万円だった。1人あたりの平均で見ると、250万円余りだった。1人で1千万を超える収入のある市議は1人(辻淳子議員、約1025万円)。500万円を超える収入があるのは辻議員を入れても5人にとどまった。
収入を得ている内訳で見ると、最も多いのが個人からの寄付だったが、一方で個人からの寄付を得ていない議員も8人いた。全収入のうち、当時の大阪維新の会若しく当時の日本維新の会の何れかから寄付を得ている割合は20%だった。大阪市議会を長年取材しているジャーナリストは、「橋下市長に頼った議員の集まりでしかなく、市長を支えるというような活動をするには政策立案と政策実現は勿論、政治家としての基礎体力とも言える資金集めの何れの面でも厳しい」と話している。
●模範的な広田和美議員の政治資金収支報告書
一方、何かと記載で問題になることの多い政治資金収支報告書だが、例外的に完璧とも言える記載をしている議員が1人いた。福島区選挙区選出の広田和美議員だ。
多くの議員が政治資金規正法で定められている一万円以下の記載はない中で、広田議員のみが、電気代や水道代などの光熱費、印刷紙などの事務所費、掃除用品などの雑費まで、1円単位で記している。
これについて広田議員は、事務所を通じて、「多忙で対応できない」と話していて取材に応じなかったが、模範的な政治資金収支報告書を作成する取り組みについてはアイ・アジアで引き続き取材を続けたい。
以上の内容の元データである大阪府選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書を掲載する。データジャーナリズムの手法を使い、選挙区をクリックすることで該当議員の政治資金収支報告書が見られるようになっている。掲載しているのは、2010年度から12年度までの3年間の政治資金収支報告書。尚、大阪維新の会を離党した福島真治議員、富岡朋治議員も含まれている。

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