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野々村元議員の政務活動費の全容(3) 多少まともだった?初年度

野々村竜太郎元県議の2012年度政務活動費収支報告書「西宮・維新の会」表紙
野々村竜太郎元県議の2012年度政務活動費収支報告書「西宮希望の女神」表紙
野々村竜太郎元兵庫県議会議員の政務活動費検証の第三弾。アイ・アジアは情報公開制度を利用して、虚偽公文書作成の容疑で強制捜査を受けた野々村元県議の政務調査費収支報告書の全てを入手して、過去3年分で877枚に及ぶ支出について分析。最終回の今回は、議員になった2011年度分の報告書を検討する。まだ多少はまともな使い方をしていた野々村元議員の当時の姿が垣間見られる。

●長距離の電車代は93件

野々村元議員が兵庫県議会議員として活動を始めたのは2011年の6月11日。政務調査費はその月から支給されている。
不自然に多い日帰り出張が問題となった電車代については合計195件(往復)。このうち片道の運賃が2000円を超える長距離の電車代については93件(往復)あった。これは翌年の2012年度(94件)とほぼ同じ件数だ。
93件の内訳をみると、6月が5件、7月が9件、8月も9件、9月が11件、10月が10件、11月が7件、そして12月が15件となっている(何れも往復)。徐々に増え続けていると言っていいだろう。翌年の1月は8件、2月も8件、そして年度末の3月は11件となっている(いづれも往復)。

●多額の切手購入はなかった初年度

その購入頻度が問題となっている切手については、11年度は22回あった。しかし全て数百円単位の購入となっており、最も多額な回でも1680円だった。問題となっているような多額の切手購入は初年度には行っていなかったことになる。

●まともな?支出も

ポスター代金などとして170万円余りが支出されている。また国内外への研修に参加した費用として79万円余りの支出が報告されている。このうち海外への研修は、アメリカで開かれた第9回世界閉鎖性海域環境保全会議(エメックス会議)に参加した時のものだ。
3年間の政務活動費について年度を遡って調べて言えることは、年度を追う毎に使途が多岐にわたり、使い方が大胆になっているということだ。初年度にあった海外研修はその後なく、その一方で不可解な多額の切手購入やスーパーマーケットでのクレジットカードを利用しての買い物などが増えている。
2011年度の政務活動費についてはアイ・アジアのウエブサイトでそのすべてを確認できる。
  2011年度野々村竜太郎政務活動費収支報告書はこちらから

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