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「号泣」野々村元県議の政治資金収支報告書を公開

◇公費の政務活動費を自身の政治団体に寄付?

不自然な政務活動費の使途を追及されて7月11日に辞職した野々村竜太郎元兵庫県議会議員。その政治資金報告書を情報公開請求によって入手した。これは、これまで問題となっている政務活動費の収支報告書ではなく、野々村元議員の政治活動全般についての資金の動きを示したものだ。そこにも、一般的な収支報告書とは異なる奇妙な記述がなされていた。

野々村竜太郎元兵庫県議(野々村氏のツイッターより)
野々村竜太郎元兵庫県議(野々村氏のツイッターより)

入手したのは、2011年(平成23年)分「西宮維新の会」、2012年(平成24年)分「西宮希望の女神」の政治資金収支報告書。2013年(平成25年)分「西宮最後の希望」はまだ公開されていない(今年11月公開予定)。これらはいずれも野々村氏の政治団体である。
平成23年分を見ると、野々村元議員本人が自身の政治団体に149万5千円寄付している。支出は一切なく、翌年に繰り越している。そして平成24年分を見ると、150万円を再び本人が寄付をしている。注目したいのは、寄付をしているのが本人のみだということと、その寄付の日付だ。

平成23年は年末の12月31日に、そして平成24年は年明けの1月1日に、それぞれ一括で寄付が行われている。つまり平成23年の年末に入って資金ができたために、2度にわたって本人が寄付の150万円以下という制限の上限いっぱいの寄付を連日行っていたのである。では、この総額約300万円はどこから得た資金だったのかという疑問が出る。
また、この政治団体が野々村議員本人からの寄付以外に収入がないというのも、不思議だ。野々村元議員は、税金が原資である多額の政務活動費を交通費として支出して関係者をまわり、切手を使って活動報告を大量に配っていたとい説明しただが、そうであれば、個人的に活動を支援してくれる支持者ができ、政治資金として寄付または会費を支払ってくれるのが普通である。しかし、本人以外の寄付も会費も一円たりともないということになる。

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